
佐賀県内各地の団体が、それぞれの地域で大切に受け継いできた伝承芸能を披露。
次世代に受け継ぐべき佐賀の伝統。
県内7団体
東与賀銭太鼓
【佐賀市】
東与賀銭太鼓
東与賀銭太鼓を育てる会【佐賀市】
銭太鼓は日本民族楽器の一種で、約30cmの竹筒の中に穴あき銭を取り付け、振ると中で銭が触れ合って音が出るリズム楽器である。「どじょうすくい踊り」で有名な「安来節」の演芸の一部としても知られ、独特の手振り調子にあわせて「シャリンシャリン」と軽やかな音が鳴る。
東与賀町には島根県出雲地方から明治後期に伝わったとされている。祭りや祝いの席などで演じられ、かつては、銭太鼓の音に合わせて若い男衆が長襦袢を着て踊っていた。また、今町地区の婦人たちが祝いの席で銭太鼓を持ち出し、宴会を盛り上げたと言い伝えられている。その後、町婦人会が中心となって町づくりの一環として普及させてきた。ちなみに、当初は海苔網のビニールの浮竹の廃棄物を利用して婦人会が中心となり、銭太鼓を作って600 本を町内に配布。現在は、合成樹脂の筒に4色のテープを巻いたカラフルな銭太鼓を補修しながら利用している。
平成3(1991)年3月には貴重な郷土芸能を後世に残すため、町の有志に
より「東与賀銭太鼓を育てる会」が発足。平成初期に開催されていた県の承芸能祭への出演をはじめ、町内外のイベント・催事などに参加しながら、普及・継承してきた。後継者育成のため町内の小学児童向けに銭太鼓教室を開いている。
現在も、会員相互の技能向上を図るため、定期的(月2回)に練習しながら、会員の確保に努めている。
佐志獅子舞
【唐津市】
佐志獅子舞
佐志獅子舞保存会【唐津市】
佐賀県唐津市の佐志(さし)地区に息づく「佐志獅子舞」は、地域の誇りと情熱が詰まった伝統芸能であり、10 月に開催される佐志八幡宮の秋季例大祭(佐志くんち)の奉納や、その翌日に地元の若者や消防団が重さ約15kg にもなる大きな獅子頭を掲げて家々を巡る「町廻り」が年中行事として親しまれてきた。
唐津の伝統行事としては神田(こうだ)の「カブカブ獅子」が広く知られているが、佐志の獅子舞は「2 対4 体」で舞う、全国的にも非常に珍しく迫力に満ちた演舞スタイルが大きな特徴。さらに近年、佐志八幡宮の内陣から享保14(1729)年に制作された獅子頭が奇跡的に発見された。
長年、地元だけで大切に受け継がれてきたこの獅子舞という伝統の灯を次世代へつなぐべく、若者たちの手によって「佐志獅子舞保存会」が新たに設立され、令和8(2026)年2 月には「唐津市伝統芸能祭」へ出演し、約半世紀ぶりに広く市民の前でお披露目されるなど、今まさに新たな歴史を歩み始めている。令和11(2029)年には誕生300 周年の節目を迎える佐志獅子舞。地域のつながりを深め、邪気を払い、1 年の健康と幸運をもたらすその勇壮な演舞は、佐志の魂として未来へ力強く継承されている。
脇野の大念仏
【伊万里市】
脇野の大念仏
脇野大念仏保存会【伊万里市】
伊万里市東山代町の脇野地区に伝わる念仏踊りで、五穀豊穣を願い、疫病退散や雨乞いを祈願するため、念仏を唱えながら太鼓や笛を打ち鳴らして舞い踊る。念仏踊りの起源は、平安時代中期の僧、空也上人がはじめ、鎌倉時代に一遍上人が念仏を布教するために広めたと言われており、脇野の大念仏は、松浦党の末裔の源直公が久安年間(1145-1151)に京都の壬生寺から伝えたものとされている。
現在は、8 月21 日に脇野地区にある宝積寺で毎年奉納。12 月1 日には山ノ寺で、4 月には青幡神社で、山代町久原地区に伝わる「久原の大念仏」と隔年で奉納されている。
特徴的なのは、直径120cmあまりの幌笠で、舞い手は鉦も含み全員が白装束をまとっている。伝承芸能といえば、艶やかな衣装や飾り付けなど、脚色されて芸能化したものが多い中、華美な装飾は一切ない。衣装や手の舞い、厳格な足の踏みなどの所作は神仏儀礼を忠実に伝承しており、現在の舞踊、歌舞伎などの基礎になっているとも言われている。まさに、古の姿を今に伝える大変貴重なものである。
儀式は三段構成になっており、はじめに精霊を呼び込み、次に念仏によって祈願をし、最後に笛が入って祈願成就の喜びの姿を現している。見どころは、千年以上も前の神秘的な踊りを次世代へと若い人が受け継ぎ、忠実に伝承しているところ。派手さはないが、神秘的な遠い昔の時代を感じ取っていただきたい。
中野の荒踊
【武雄市】
中野の荒踊
中野荒踊保存会【武雄市】
武雄の荒踊は、佐賀藩武雄領のみに伝承される芸能であり、昭和52(1977)年には国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。その由来は享禄3(1530)年、今から約500 年前の戦国時代、島原の城主・有馬仙岩との戦いで武雄領主・後藤純明が勝利し、喜んだ足軽たちが即興で踊ったのが始まりと伝えられている。
荒踊りは、腰に刀を差したモッショ(猛将)とカキ(垣)と呼ばれる踊り手と、笛・鉦・モリャーシの囃子方及び謡い手で構成されている。踊り手の中心となるのがモッショで、その周りを取り囲むように円陣を組むのがカキ。輪になった踊り手たちは、謡い手の唄や浮立に合わせて力強く軽快に踊る。
武雄の荒踊が継承されているのは、朝日町中野、東川登町宇土手、西川登町高瀬の三地区。踊りの流れには二系統あり、宇土手の荒踊と高瀬の荒踊は武道の型を思わせるように素朴で力強く、中野の荒踊は優美で手の振りに特色がある。
中野の荒踊は、小学生男子(荒踊)、小学生女子(銭太鼓)、成人男子(荒踊)、成人女子(綾竹)で構成され、毎年9月の秋分の日、氏神様の中野磐井八幡神社に祭典奉納を行っている。昭和26(1951)年には、文部省主催の第2回全国芸能祭に九州代表として出演。平成22(2010)年には、NHKホールで開催された「第10 回地域伝統芸能祭」に出演。その後も、各地のイベント等に出演し、継承に努めている。
風天太鼓
【みやき町】
風天太鼓
風天太鼓保存会【みやき町】
佐賀県みやき町の旧中原地区の有志が集まり、平成12(2000)年に結成
された「風天太鼓保存会」。風の神様を祀る「風天山」が名前の由来で、地
域の活性化と青少年の育成を目的に、地域イベントや祭りを中心に県内外で演
奏活動を続けている。
平成15(2003)年には、ジュニアチーム「雅風童(がふうどう)」を結成。
日本太鼓ジュニアコンクール佐賀県大会では、毎年上位入賞を果たし、九州大
会や全国大会にも多数出場している。
保存会結成から25 周年を迎えた昨年は、記念公演「風天の響き 綾の風」
を開催。日頃から応援いただいている地域の方をはじめ、県内外から幅広い
年齢層の観客が訪れて大きな賑わいを見せた。
日本古来の伝統楽器である「和太鼓」。先人たちが、その響きに込めた想い
に心を馳せ、演奏技術の向上と心身の成長を目指し、日々の稽古に励んでいる。
世代を超え、心を一つに太鼓を打ち鳴らす姿は、「地域の宝」である子どもた
ちが次の世代へと文化をつなぐメッセージにもなっている。
小学生から大人まで幅広い世代のメンバーがステージに立ち、力強く勢いの
ある曲から、温かく落ち着きのある曲まで幅広く披露する。また、ステージ後方
に配置された2つの大きな太鼓は、その見た目から「うちわ太鼓」と呼ばれる。
県内では珍しく、普段はあまり目にすることができない太鼓である。
一打一打を大切にした和太鼓の豊かな響きと、篠笛の深みのある音色が会
場を包み込む。
室島区面浮立
【白石町】
室島区面浮立
室島区面浮立保存会【白石町】
面浮立の起源は諸説あるが、今より約500 年前(1530 年頃)、肥前国神埼
郡田手畷で豊後の大友氏と肥前の龍造寺氏との戦いに由来すると言われてい
る。龍造寺の軍勢が少なく圧倒的に不利な状況の中、配下であった鍋島平右
衛門清久の一族郎党100 騎あまりが、鬼の面とシャグマ(赤熊)の毛をつけて、
大友氏軍に奇襲をかけて撃退。これで龍造寺軍は勢いを取り戻し、大勝利を
おさめたと伝えられている。この勝ち戦の祝宴で、一様に鬼の面をつけて踊っ
たのが面浮立の始まりと言われる。
(この由来は、後世、面浮立が盛んになるに伴って、鍋島氏が他国勢を撃退
したという田手畷の赤熊武者の話が、強い郷土意識のもとに勇壮な面浮立の
由来として定着したものである。)
白石町の室島地区に伝わる「室島区面浮立」は、毎年10 月1 日、海童神
社の八朔祭で奉納されている。海童神社は、平安時代から海上交通の守り神
として信仰されてきた氏神で、3つの地区の氏子たちが豊漁や五穀豊穣を願い、
それぞれに芸能を奉納してきた。室島地区の面浮立、長浜地区の獅子舞、深
浦地区の太鼓浮立である。
400 年を超える伝統を受け継ぐ室島区面浮立は、十五の舞・神の舞・尾の
岳くずし・村渡し・本囃子・直囃子・片撥・奉願道の8つの舞で構成されている。
油津浮立
【太良町】
油津浮立
油津浮立保存会【太良町】
良病院など町内の主要施設が地区内に点在する約140 戸の集落。太良町史
によると、旧多良町の浮立は1640 年頃には行われていたとされ、約400 年の
歴史を持つ。油津地区では130 年前頃から始まったといわれている。
現在、太良町内には14 地区で浮立が伝承され、毎年9月の第2日曜日に、
有明海の海沿いにある太良嶽神社の秋季例祭に五穀豊穣と家内安全を感謝し
て奉納されている。太良嶽神社は昭和46(1971)年に太良嶽神社(多良岳)、
川上神社、荒穂神社の三社を合祀した神社で、瓊瓊杵尊(にぎぎのみこと)・
五十猛尊(いそたけるのみこと)・豊玉姫命(とよたまひめのみこと)(乙姫様)
を祭神としている。なかでも荒穂神社の祭神・瓊瓊杵尊は、特に浮立が好きで、
浮立の奉納をやめた年に社殿が振動して、境内に建っていた石祠にヒビが入っ
たと伝えられている。
太良嶽神社の秋季例祭では、多良川と糸岐川を境にした、川北と川南の両
地域が2年交代で、それぞれの地区に伝わる面浮立や獅子浮立などを奉納す
る。川北地区の油津浮立は主に、行列を作って行進しながら踊る「道浮立」と、
神前の広場を舞台として演じる「場浮立」がある。演目は、幼児による「なぎなた」、
女子による「シャカンシャカン」と「チワメキ」、青年男子による「面浮立」、「鬼
浮立」、青壮年男子による「しゃの毛」、少年男子による「天衝舞」、壮年男子
による「もどり(納め太鼓)」である。
今回のステージでは、面浮立、鬼浮立、もどり(納め太鼓)を披露する。
佐賀神楽
【嬉野市】
佐賀神楽
佐賀神楽団【嬉野市】
| 10:00 | オープニング |
|---|---|
| 10:03 | 佐藤和哉 オープニングライブ |
| 10:30 | ●佐賀神楽(嬉野市) ●室島区面浮立(白石町) ●中野の荒踊(武雄市) ●東与賀銭太鼓(佐賀市) |
| 12:30 | 休憩 |
| 13:20 | ●ひろしま安芸高田神楽(広島県安芸高田市)(天神神楽団) ●風天太鼓(みやき町) ●脇野の大念仏(伊万里市) ●油津浮立(太良町) ●佐志獅子舞(唐津市) |
| 15:45 | 邦楽トリオ「佐賀にしき」スペシャルライブ |
| 16:05 | 表彰式 (16:30終了) |


